Kamiインタビュー

『戦極』でMMAデビュー!! “最強柔術家”シャンジ・ヒベイロ インタビュー【後編】
シャンジ・ヒベイロのインタビュー後編では、兄を血祭りにした因縁の相手、近藤有己に対する思い、そして自ら「尊敬している」というエメリヤーエンコ・ヒョードル、同じグラップラーであるDREAMの青木真也、そしてパウンド・フォー・パウンドについて、おおいに語ってくれた。兄・サウロのはたせなかったMMA界での成功を夢見て『戦極』に参戦するシャンジ・ヒベイロの熱い思いを心して読め! ※【前編】はこちら!!
聞き手/大川義之
オレが闘いたいのはユウキ・コンドーだよ(ニヤリ)。
彼は『コロシアム2000』で兄のサウロに勝っているからね
――『戦極』で闘いたい相手はいますか? 『戦極』には柔術時代からのライバルのホジャー選手や吉田選手もいますが。
シャンジ まだ自分はMMAでの戦績がないので、とくに誰かを指名できる資格があるとは思っていない。……ただ、日本に闘いたい相手がいないと言えば、それはウソになるね。
――というと、やはりそれは……。
シャンジ そう、オレが闘いたいのはユウキ・コンドーだよ(ニヤリ)。彼は『コロシアム2000』で兄のサウロに勝っているからね。
――いまでも晴らしたい思いがあるということですね。
シャンジ 当時、セコンドについていた自分はまだ19歳で、あの試合の結果にとても腹が立ったんだ。なぜならあの試合はとても短い時間で終わってしまったし、兄は技術をまったく見せることができなかった。それに観ればわかると思うが、あの試合のコンドーの蹴りはハイキックのつもりで出したものだった。だからコンドーのキックは、ある意味でラッキーなものだったと思う。ただ、負けは負けなのでそれについての整理は自分の中でついているよ。だが、自分のファミリーを守るためにも、いつか兄に代わってコンドーと闘いたいね。
――なるほど。ホジャー選手と近藤選手の試合についてはどう思いましたか?
シャンジ MMAはいろんな格闘技を習得し、ミックスして闘わなければならないが、ホジャーはコンドー戦でも非常に落ち着いて、グレイシー柔術の技術を駆使してポジションを奪って確実に関節技を極めた。非常に素晴らしいゲームプランだと思ったよ。これからMMAで経験を積んで、コンドーもホジャー戦の敗戦から復帰して、いつか2人がいい状況で対戦できたらいいね。
――寝技を大切にする選手というと、いまの日本では青木真也という選手が選手が注目されていますが、彼のことは知っていますか?
シャンジ もちろん知ってるよ! 彼は身体が柔らかく、ラバーガードを使う素晴らしいファイターだね。ジュードーの経験もあるから、テイクダウン能力にも優れているし、相手を極める技術も素晴らしい。彼が昔、躊躇なくワキガタメを極めて相手を壊した映像も観たよ。彼はとてもデンジャラスだね。
――修斗時代の映像までチェックしてるんですか!
シャンジ ああ、彼はとても有名だからね。ただ、アオキはグラップリングの展開に自信を持っているから、グラウンドで下のポジションにいすぎる傾向がある。ヨアキム・ハンセンとの試合でも、それで相手にパウンドされる機会を与えてしまった。自分の学んできた柔術では、ボトムポジションにいたらアオキのようにそこから相手を極めようとするのではなく、まずリバーサルしてトップを取り返し、最終的にはマウントから関節技を極めることを考える。その辺はアオキと考え方が違うね。自分がMMAで闘うならリスキーな状況は排除して、できるだけ柔術の考え方に沿った闘い方をしたいね。
ああ。ヒョードルと闘うのは自分にとってもいい
チャレンジになるだろうね。ただ、闘うとしたら……
――では、あなたが理想とするMMAスタイルは?
シャンジ それはノゲイラとヒョードルのいいところを混ぜ合わせたスタイルさ。オレはヒョードル、ミノタウロ、アオキ、ショーグンといったファイターが好きなんだ。彼らの試合はとても参考になるよ。
――ヒョードル+ノゲイラのミックスなんて、究極の理想像ですね(笑)。いま、ヒョードル選手の名前が出ましたが、彼と闘ってみたいと思いますか?
シャンジ ああ。ヒョードルと闘うのは自分にとってもいいチャレンジになるだろうね。ただ、闘うとしたら自分も100キロぐらいまで増量して調整したいね。自分は柔術でも無差別で闘うのが好きだったから、大きい選手と闘うのは問題ない。体格が小さい者が大きい者にいかにして勝つかという命題は、柔術の根本的な思想でもあるし、いつオファーがあっても対応できるように準備したいね。
――ヒョードル選手についてどう思いますか? 彼はパウンド・フォー・パウンド(階級を無視した最強)だとも言われていますが。
シャンジ ヒョードルは凄い選手だよ。ヘビー級なのにライト級の選手のようなスピードで動く。もともとはサンボの選手なのに、ティム・シルビアのような巨漢が相手でもパンチで圧倒する打撃力もある。本人と一度会ったことがあるけど、彼はいつも冷静だし、まるでファイターではないかのように穏やかで、礼儀正しい。あれこそ格闘家のあるべき姿だと思うし、とても尊敬しているよ。ただ、パウンド・フォー・パウンドとなると話は別だ。ヒョードルもグラウンドの技術に優れていると思うけど、アンデウソンはそれ以上だ。もちろん、非常に高いレベルで両者は拮抗しているとは思うけどね。
――アンデウソンがパウンド・フォー・パウンドってUFCのダナ・ホワイトと同じ意見なんですねぇ。ダナも負け惜しみで言ってるってワケじゃないってことか……。ところで腕に漢字のタトゥーを入れてますね

シャンジ ああこれは“信仰”さ。英語ではFAITHという言葉で、信じること、信頼することを意味する。宗教的な意味ではなく、人は自分がいま関わっていることを信頼することが大事だと思うんだ。自分は主戦場とする『戦極』を信じているし、ここにいる通訳やキミたち記者を信頼している。そういう思いを大事にしてこれからも生きていきたいね。
――わかりました! 自分の力を信じるシャンジさんの『戦極』での活躍を期待しています。
【08年8月23日都内・某ホテルにて収録】

